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よくあるご質問

ワイドバンドレシーバー

Q1.
空線キャンセルが上手く動きません。DCSが正しく動かないことがあるようです。地下鉄の長波が受信できません。盗聴発見機能でスキャンが止まりますが盗聴器は仕掛けられていないようです・・・なぜ?
A1.
生産終了機種も含めたFAQです

ワイドバンドレシーバーは、大変広い範囲の周波数を色々なモードで快適に受信できるよう、多彩な機能を搭載しています。しかし、これらの機能は無線機の性能以外に受信する信号の強度や特徴など様々な要因から、動作しないことがあります。

*空線キャンセラーは信号のトーン、電界強度などによって動作をしなかったり、キャンセル動作が外れやすくなったりします。アナログのJR鉄道無線は比較的キャンセル動作がさせやすく安定するので、それで動くようなら無線機自体の故障の可能性は低いと考えられます。CTCSSやDCSも送信に使われているトランシーバーの波形、Fズレなどによって動作しなかったり安定しないことがあります。特に最新の受信機はこれらを判定する部品の精度が上がり、送信側が少しズレると正しく判定できないことが起こりがちです。

*地下鉄で使われている長波は信号が弱く、電車の車体も電波を遮蔽するので窓際に寄らないと電波を拾いにくいことがあります。又、長波の帯域はハンディ受信機の回路から出るノイズの影響を受けやすく、自己妨害が起きることもあります。

*盗聴発見機能もノイズなどに影響を受けて誤動作することがしばしばあります。レシーバーが見つけることが出来るタイプの音声盗聴器であればスキャンが止まった周波数で必ず盗聴器が実際に拾っている音声を聞くことができます。聞こえてこなければ受信機で復調できない信号か、誤動作です。
Q2.
充電が始まらなくなりました、電源ボタンが効かず起動しません、液晶画面が点滅します、充電タイマーが正しく動かなくなりました・・・故障ですか?
A2.
USBアダプターを使わない、DJ-X3/X8/X11/X81レシーバー共通です。
久しぶりに使っての充電時や、電池が減って自然に液晶画面が消えていた後に上記の異常が生じた時は、内蔵CPUの誤動作の可能性があります。以下の操作で再起動してください。

【操作】
1:電池を受信機から取り外します。充電用ACアダプターも外し、全ての電源供給を止めます。
2:内部の部品に溜まった電気を放電させるため、そのまま30秒ほどお待ちください。
※充電スタンドとバッテリーパック式の電池をお使いなら、この間に受信機、バッテリーパック、充電スタンドがそれぞれ接触する金属端子を乾いた清潔な綿棒で拭って清掃してください。
3:電池は外したまま、付属品の充電用ACアダプターのプラグを受信機側面のDC電源端子に接続して通電します。
4:前回の終了状態によっては何もしなくても電源が入ることがあります。電源が入らないときは電源ボタンを押します。いずれも起動できたら一旦電源を切ります。
5:電源が切れた状態で充電池を装着し、電源をオンにしたあと、充電操作をして、正しく充電動作が始まることをご確認ください。(充電が始まらない場合は、充電や充電時間に関する設定項目がないか、説明書でご確認ください。)

起動できないときや、パートリセットをしても異常が改善しない場合は、サービスセンターにご相談ください。

【参考】
・ 減電状態の時にソフト上の処理で強制終了をさせず、少しでも長く受信できるように設計したため、電池電圧が必要値よりも下がった時にマイコンがフリーズした状態で停止するリスクが増えたことに起因する現象です。従い、減電池表示が出たらタイムリーに充電したり電池交換したりすれば起こることはありません。
・ アダプターでなく、満充品の電池でも再起動させることができます。屋外で受信されるときは、スペアの新品乾電池を持っておくと安心です。
・ マイコンの誤動作自体は故障の原因になりませんが、周波数メモリーデータが消える原因になることがあります。
・ ご使用にならない時は、常に電池を取り出して保管してください。入れたまま保存すると待機電流や自然放電で電池の持ちが悪くなるほか、電池性能の劣化や液漏れの原因となります。
Q3.
盗聴器発見機能って何ですか?
A3.
人のプライバシーを侵害し、情報を盗む手段には立ち話を盗み聞きするようなものから、電波を使うもの、ハッキング、画像盗撮などさまざまな方法があり、社会問題化しています。弊社のワイドバンドレシーバーにはこれらの中でもポピュラーな、アナログ音声の電波を使う盗聴器の探査に使用できるものがあります。

アルインコの簡易盗聴器発見機能は市場に流通する盗聴器で傾向的に使われる周波数をメモリーさせてあり、特許の機能を使って初歩的な、電波を通じたプライバシーの漏洩がないかのチェックを行う事ができます。意図的に盗聴器として作られたものの他、ワイヤレスマイク、介護用のケアモニター、ベビーモニター、特定小電力無線等も音を電波で飛ばす関係上、時に第三者が悪意を持って受信する対象となりえます。

インターネット上にこれらセキュリティに関する情報はたくさん有りますから、ご不明な点などは「盗聴」「電波」などをキーワードに検索してください。

※盗聴器として流通する機器の多くは不法ですから、それらを仕掛けると罰せられます。
※弊社は盗聴器メーカーでも興信所でもありません。盗聴という行為自体に対するお問い合せへのサポートは一切行っておりません。盗聴器を発見できなかったことに対する補償はありません。情報漏えいの疑いを強くお持ちの方は、探偵社など専門家にご相談されることをお勧めします。
Q4.
DJ-X11のAGC改造について教えてください。
A4.
DJ-X11標準仕様はACARS受信のデコード率を上げるため、AM音声受信時、音量を信号の強弱にかかわらず同程度に平均化するAGC(オートゲインコントロール)を実装していません。ACARSの2バンド受信時のデコード率が3割程度落ちるので、ACARSファンは標準仕様をお求めください。ACARSは使わない場合、AGC回路を実装するDJ-X11Aをお求めください。なお、DJ-X11Aに一般仕様や鉄道スペシャルのメモリーを書き込んで出荷することも可能です。ご購入前に、販売店にご相談ください。

【ご注意】DJ-X11には、メモリーのみエアバンド仕様になっている旧バージョンのエアバンドスペシャルがございます。ハード的にDJ-X11Aなのかどうかは、背面の銘板の機種名がDJ-X11Aと、「A付き」であることをご確認ください。

なお、保証期間の有無にかかわらず有償になりますが、DJ-X11にAGC機能を追加する改造サービスもご提供しております。販売店に「AGC機能追加」とご依頼いただくか、弊社サービスセンターを直接ご利用ください。本サービスは修理点検を目的とするものではありません。部品の追加後、既定の受信と動作の確認だけをしてお返ししています。

[弊社サービスセンターのご利用方法]
*価格:部品代込技術料3,000円、代引き手数料と運賃込み返送手数料1,200円+税10%=4,620円
 尚、一般修理をご依頼時、AGC改造もご希望であれば追加料金なしで承ります。(修理技術料\5,800+修理に使用する部品代+発送手数料、税諸掛りを申し受けます。)必ず「AGC改造希望」とお書きください。ご明記がないときは勝手に改造することはありません。
*お支払:代引きのみとなります。他の決済方法をご希望でしたら無線機販売店にご相談ください。
*ご依頼方法:返却先ご住所、お名前、昼間に連絡が取れる電話番号、「DJ-X11のAGC改造」を記載したメモ書きを添えて、以下の宛先に運賃元払いでお送りください。なお、復路の配達時間や曜日についてご希望があれば、合わせてお書き添えください。

*梱包について:
1:電池、アンテナなど付属品は一切送らないでください。
2:メモ書きを入れず、送り状の備考欄だけに「AGC改造」と書かれると、読めなかったり修理品と間違って受付されるなどトラブルのもとになりますので、必ず別途メモ書きを入れてください。
3:丸めた新聞紙でもよいので必ず梱包材を使って本体を保護してください。輸送中の振動や落下が原因の故障は保証に関係なく有償修理になります。到着時に異常が見つかったらご連絡を差し上げたうえで一般修理に切り替えます。
4:梱包材にメモが紛れないよう、できればメモをゴムバンドで本体に巻く、ナイロン袋に一緒に入れて梱包するなど、わかりやすくなるようご配慮ください。

【送り先】
〒541-0043 大阪府大阪市中央区高麗橋4-4-9 淀屋橋ダイビル 13F
アルインコ(株)電子サービスセンター
TEL:06-7636-2361
送り状備考欄に「DJ-X11 AGC追加」と記載してください。

※こちらに必要事項をまとめたご依頼書がございます。プリントしてご利用ください。
DJ-X11のAGC機能追加依頼書
Q5.
エアバンドスペシャルや鉄道スペシャルと一般仕様はどうちがうの?広帯域受信機に書かれたメモリーチャンネルの内容について教えてください。
A5.
弊社の国内向け広帯域受信機のほとんどは、メモリーチャンネルにポピュラーな通信の周波数をメモリーして出荷しています。但し、原則的に更新はしないため、変更があったチャンネルは手動操作で削除、更新するメンテナンスが必要です。

メモリーデータをカスタマイズしたスペシャル版はDJ-X11を除き、銘板も含めて仕様、付属品は全く同じです。メモリーチャンネルの書き込み内容だけが航空や鉄道関連専用になっていて、周波数帳も専用のものが付属します。価格も同じですが、航空や鉄道スペシャルをお求めの際は販売店に「**スペシャルをお願いします」と明確にわかるようご注文ください。

DJ-X11Aは本体背面の銀色銘板の機種名に「DJ-X11A」と印字があります。AM音声受信時、音量を信号の強弱にかかわらず同程度に平均化するAGC(オートゲインコントロール)を実装している点がAなしの標準仕様と異なります。ACARSの2バンド受信時のデコード率が3割程度落ちるので、ACARSファンは標準仕様をお求めください。なお、DJ-X11Aに一般仕様や鉄道スペシャルのメモリーを書き込んで出荷することも可能です。ご購入前に、販売店にご相談ください。
【ご注意】標準のDJ-X11でも、メモリーのみエアバンド仕様になっているものもございます。AGC回路付のDJ-X11Aなのかどうかは、先述のように背面の銘板の機種名がDJ-X11Aと、「A付き」であることをご確認ください。また、標準品に後からAGC回路を改造追加したものもあります。これは外見では見分けられないので、実際にAMを聞いてご判断頂くしかありません。

標準仕様は代表的なエアバンド、国際VHFマリン、特定小電力無線、鉄道、盗聴器(雑誌などに掲載されていた情報を編集)などの周波数を広く浅く書き込んでいます。

エアバンド仕様は日本国内の民間、軍用空港の管制周波数、ACC,カンパニー、地上業務などを北海道、東北…九州、沖縄まで地域別にバンクで区切っています。但しエアバンド周波数は同じものを近隣の空港とシェアして使ったり、多くの副用波を含んでいたりするため、それらも重複させてメモリーデータにすると、受信機のメモリーチャンネル数では全く足りません。このため、チャンネルと受信機のネーム表示は合致しないことが有ります。基本的に、同じバンク内にこれらシェアされている周波数も書かれているので、好みに応じてネームタグを書き換えるなどして使いやすいようにカスタマイズしてください。空港の公開されている周波数は、インターネットで「**空港(飛行場) 周波数」と検索すると入手できます。お気に入りのチャンネルだけ聞きたいときは、不要なチャンネルを「スキップ」機能を使ってSKIP指定すると便利です。SKIPチャンネルを飛ばして受信するので効率よく受信できます。また、エアバンドスペシャルはこのように多数のデータを書き込み済のため、自分の好きな周波数をメモリーする空きチャンネルが有りません。カスタマイズしたいときは不要なチャンネルを消す作業が必要になります。

鉄道仕様も地域分けしてバンクに区切り、JR,私鉄、ロープウエー、ケーブルカー、モノレール、リフトなどの乗り物周波数を書き込んでいます。メモリーネームができるものは周波数の代わりにネームも書いてわかりやすくしています。

DJ-X100はマニア・プロユース向けの製品です。編集ソフトをお使いになるときの参考データはHPに上げておりますが、出荷時に書き込んだものはありません。
Q6.
メモリー周波数を誤って消してしまいました。どうしたら復元できますか?メモリーに書いてあるデータや周波数帳のデータは貰えるの?標準仕様のデータをエアバンドや鉄道仕様に書き換えてもらえますか?
A6.
弊社の全てのレシーバーはメモリーデータを含む全ての設定を初期化できますが、これは上級者が意図的に行う操作です。通常は「パートリセット」や「システムリセット」と説明している方法で動作関連の初期化のみを行うようにしてください。又、上書き禁止機能(ライトプロテクト)が外れていてもメモリーが消去される場合がありますので、リセットを行う際は説明書を良く読んでから行ってください。

もし誤ってメモリーを消したり、異なる仕様に書き換えを希望される場合、データ書き込み作業自体は無料で行っています。ただ、往復の送料実費はご負担頂いておりますのでご了承ください。

お送り頂くものは無線機本体(電池やアンテナを含む一切のアクセサリーは不要)、返送先のご住所・お名前・電話番号、「メモリーの再書き込み希望」を明記したメモです。「エアバンドスペシャル」「鉄道スペシャル」など、特殊なデータが書かれていた物や、他のデータに書き換えをご希望の際はその旨必ずご明記ください。ご指定が無いものは、標準出荷仕様のデータを上書きします。また、運賃を宅配ドライバーにお支払い頂く着払いでご返送しますので、受け取りしやすい時間帯があれば合わせてご記入ください。

本サービスはあくまでメモリーの書き込み作業と受信動作確認だけで、測定器を通した点検や調整などは一切行いません。点検も合わせてご希望の場合はこのFAQの修理の項目をご参照のうえ、一般の修理サービスをご利用頂き、その際に「メモリーデータも書き直して下さい」とご依頼ください。書き込みはもちろん基本修理技術料に含まれていますので、追加料金はかかりません。

【送り先】
〒541-0043 大阪府大阪市中央区高麗橋4-4-9 淀屋橋ダイビル 13F
アルインコ電子サービスセンター メモリー係 
TEL:0120-464-007 

※こちらに必要事項をまとめたご依頼書がございます。プリントしてご利用ください。
メモリー上書きご依頼書

尚、弊社が無償配布するメモリー編集ソフト(Clone Utility)と有償のオプションケーブル(機種によりERW-7またはERW-8)をお使いになれば、メモリーデータを自分でパソコンから転送して書き込むこともできます。データはお問い合わせフォームから機種と製造番号(S/N M******のような番号)を明記の上ご請求ください。無償で、返信メールに添付してお送りします。スマートフォンのアドレスにはお送りできません。必ずPCのメールアドレスからご連絡ください。
Q7.
無線や放送のデジタル移行、アルインコのレシーバーにも影響はあるの?聞こえるアナログ無線はありますか?
A7.
業務無線に関しては、警察はもとより消防救急や自衛隊の通信はごく一部の例外を除きデジタル化したほか、防災、鉄道、タクシーやバスなどの乗り物等、通信のデジタル化は今後どんどん加速します。デジタル通信では、例え同じ周波数や変調方式を受信できるレシーバーを作ってもユーザーが設定する秘話や通話コードが合わないと声を聞くことはできませんし、乗物無線ではGPS位置情報も含めたデジタル配車システムや携帯電話回線を使用するIP無線を導入し、従来とは方式自体が変わってしまったものもあります。

確かにユーティリティ受信ができる分野は減少していますが、以下のような無線はまだまだDJ-X82で受信できます。

・航空無線:アナログ無線受信で一番人気の航空無線。英語が主ですが、一部は日本語を使います。飛行中の高度や位置を地上に連絡する「航空路管制」や、地上局に航路の天候などの情報をもらう「カンパニー」無線の「エンルート」通信、離着陸前後に空港と通信するデパーチャーやアプローチの航空機側の信号は空港から離れた場所でもひんぱんに受信できます。空港気象放送のATIS周波数を空港名で検索、それが受信できれば地上管制の通信も聞こえる可能性があります。UHFの軍用航空無線も通常の管制は決まったチャンネルで、アナログで聞くことができます。空港内の地上業務の無線はデジタル化の影響を受けてアナログでは聞こえないものが増えています。

・国際VHFマリン(船舶):これもユーザーが多いので受信が簡単、使用チャンネルに明確なルールもあるので港や航路の近くだと楽しめる無線です。マンション高層階や山の上など条件が良い場所では海から数十キロ離れた場所でも受信できることがあります。英語、日本語、中国語など各国の言葉が使われ、出入港に関することだけでなく、航行マナーの悪い船への海保の警告なども聞こえます。DJ-X100ではデータ通信のAISが受信でき、PCソフトにつなぐだけで船の位置、船名などの情報がリアルタイムに表示できます。

・特定小電力無線:インカム、と呼ばれることもある無線機です。ありとあらゆるところで使われており、デジタル移行もありません。飲食店、小売店、各種小売・サービス業、小中規模のスーパーやホームセンター(大規模店やモールはデジタル簡易無線をお使いのところが増えています)、ケータイショップ、ハイパワー無線は使用禁止の病院やクリニック、旅館やホテル、アマチュアスポーツの審判やトレーニング、イベント進行、各種式場、消防団や自治会、工事などの現場、さらには各種官公庁でも近距離連絡用に使われていて、バラエティ豊かな通信が聞けることがあります。弱点は電波がせいぜい数百メートルしか飛ばないので、高性能な外部アンテナを立てても使用場所の近くでないと受信できないことです。

・ヘリ無線:実は警察や消防も、ヘリコプターは航空無線のAMやヘリテレ連絡波のFMを使います。チャンネルは決まっていて、現場の様子を漏れ聞くことができる場合もあります。

・消防署活系:以前は大都市の消防にだけ割り当てられていた周波数ですが、デジタル化が始まった際、消防署員や消防団員が現場で活動するときの連絡用に地方の消防にも割り当てが緩和されています。とはいえすべての消防が導入しているわけではなく、導入していても本当に災害や事件があったとき、普通の通信網だけでは足りないときの現場連絡用ですから、使用頻度は高くなく、近くにいないと聞こえません。但し聞こえれば、緊迫した現場の様子が手に取るようにわかることがあります。

・鉄道関連:踏切には保線工事関係者が事故にあわないよう電車の接近を教えてくれる接近警報無線が設置されています。鉄道写真ファンはシャッターチャンスを逃さないようにこれを聞くことがあります。また首都圏以外の私鉄は大きな鉄道会社でもまだまだアナログを使っているところがたくさんあり、遅延情報が駅員と同時にわかります。タクシーやバスもアナログが生きているところがありますが、乗車中に運転手さんが会社と通話する声が聞こえない車両(ナビのような端末が付いた車両)は配車システムごとデジタル化したり、通話していてもIP無線化したものがあります。

この他にも、まだまだ活用されているアナログ無線は身近に残っています。
Q8.
警察や消防のデジタル無線が聞ける受信機はありますか?
A8.
アナログのような感覚で受信できるレシーバーは存在しません。デジタル通信はアナログとは全く別物で、チャンネルを合わせれば聞こえるものではありませんし、そのような運用もされていません。特に公安や防衛関連など公共の安全にかかわる通信は製造から運用まで高いセキュリティレベルで守られており、このような通信が受信できる機器が一般に出回ることはありません。
Q9.
放送以外に何も聞こえませんが故障でしょうか?
A9.
FMやAM放送の音声がはっきり聞こえていれば、故障の可能性はとても低いものです。

魚釣りで、道具以外に釣場の情報とそれを理解するための最低限の専門用語の知識を持っていないと獲物が釣れないのと同じで、通信の受信は目的の信号とそれに関する知識を持っていないと何も聞こえません。周波数と電波型式、チャンネルステップは通信受信に必須の情報です。インターネットで「(盗聴電波や航空などジャンル名)、周波数」のようなキーワードで検索すれば、たくさんの情報を得られます。弊社のレシーバーにはチャンネルが変わる幅のチャンネルステップや電波形式の標準的なものが自動で設定されるものと、あえてそれらをすべて手動で行う上級ユーザー向けがあります。

通信は放送と違い、通信が必要なときにしか電波を出しませんし、なるべく広い地域で聞いてもらえるように工夫する放送の設備とは反対に、「必要な通話ができる最小限度」の設備が優先されます。また、電波伝搬上の理由で、例えば航空無線であれば遠くでも聞こえるのは飛行中に使うチャンネルだけで、管制の信号を聞くためには空港の近くに行く必要があり、なおかつフライトのある時間帯に限られます(地方の空港は便数が少ないです)。短波や中波では時間や季節で通信距離が変わります(AM放送は夜になると遠くの局が聞こえることはご経験があると思います)。盗聴電波にしても、そこらじゅうに仕掛けられていて簡単に受信ができると勘違いされる方が居られますが、普通の街中ではめったに受信できるものではありませんし、携帯電話や警察・消防救急・自衛隊など公安関連もごく一部の例外を除いてデジタル化され、市販の無線機では一切聞くことができません。

「ラジオ放送は聴けるが、本当に故障していないのかな?」と気になる方は、以下をお試しください。
*意図せず設定したアッテネータやアンテナ切り替え設定などをもとに戻すため、リセットをかける。このとき、必ず説明書を読んでメモリー保護機能が有効になっていることを確認するか、パートリセットを選ぶ(保護が外れていたり、オールリセットをかけたりするとメモリーチャンネルが全て消去され、自分では復元できなくなります)
*リセットするとVFOモードで起動するので、そのままダイヤルや数字キーで131.450(MHz)に周波数を合わせる。AMモードになることを確認する。(日本では131.250MHzも使われます。チャンネルを切り替えてお試しください。)
*ボリュームレベルとスケルチレベルを調整する。
*AM10時頃からPM8時頃までの飛行機が多く飛ぶ時間帯に屋外に出て受信、「ピギャ、ピ~ギャギャ」と断続的に短いバースト音が聞こえたら無線機とアンテナは正常です。このピギャピギャ音は飛行中の民間航空機が落とす位置情報などを含んだ航空無線のデータ信号で、飛行機が飛んでいる時間なら百キロ単位で離れた場所からでも受信でき、音声より頻繁に信号が出ていることから無線機に異常がないかどうかをチェックする格好の目安になります。これが受かれば、飛んでいる飛行機のパイロットが地上に自分の位置や高度を連絡する「航空路管制」が受信できる可能性が高いです。「航空路管制 ACC 周波数」で検索、自分の受信場所に近い「**セクター」の「主要波チャンネル」をいくつかピックアップして待ち受けしてみてください。

ハード面の改善では、「アンテナ」の一言に尽きます。標準のホイップアンテナや内蔵アンテナは、なるべくいろいろなバンドを聞こえ易くするために工夫がしてありますが、通信量の少ない地方や都会のビルの谷間にお住まいなど、電波が捉えにくい場合は、屋外に立てた外部アンテナを接続するだけで大きな効果があります。高性能なホイップアンテナに代えても効果がない、とおっしゃる方がおられますが、いくら良いアンテナでも室内で使っては思うほど改善はしません。クリップ式のアンテナマウント(アンテナメーカーから各種発売されています)にそのアンテナを取り付けて、窓枠に挟んでエレメントを外に出すだけでも効果が感じられるはずです。さらにディスコーンと呼ばれる屋外設置型の広帯域受信用アンテナを条件よく設置すれば一層効果的でしょう。受信用アンテナとケーブル、設置用金具は専業メーカーからバラエティ豊かに発売されていますので、無線機販売店にご相談ください。
Q10.
ワイドバンドレシーバーを使うのに免許は必要なのですか?注意する点は?
A10.
無線通信を日本国内で受信するのに、特別な資格や免許は要りません。

ただし電波法第59条に「特定の相手方に対して行われる無線通信を傍受して、その存在もしくは内容を漏らし、又これを窃用してはならない」と定められていますので、受信した内容や情報を発信者に無断で使用したり、他人に通信の内容を話したりすると罰せられます。また音声だけでなく、別の条文でデータ通信や暗号通信の解読と無断使用も禁じられています。

海外の場合、例えばアメリカでは同じような内容が「プライバシー保護法」によって規定されていたり、広帯域受信機を含む無線機の持ち込みが厳しく管理されている国や地域も有りますので、充分に注意が必要です。

日本国内でも場所により無線機や受信機の持ち込みを制限している場所(イベント会場、テーマパーク、官公庁・公共施設等)があり、これらの場所で注意を受けたら速やかに指示に従ってください。さらに、場所柄をわきまえず受信をしていると何かと誤解されやすく、通行人から警察に通報されたり、職務質問を受けたり、とトラブルの元になります。特に盛り場、遊技場の近く、ホテル街などは特に盗聴の誤解を受けやすい場所です。

最も大切なマナーは屋外での受信には必ずイヤホンを使うこと、です。例えば空港の送迎デッキで航空無線をイヤホン無しで聴く方がおられますが、飛行機に興味のない大部分の方には迷惑でしかありません。電車の中で音楽をイヤホン無しで聴くことと同じですから、絶対にお止めください。
Q11.
ワイドバンドレシーバーはラジオと何が違うの?
A11.
一般に広帯域受信機(ワイドバンドレシーバー、スキャナーとも。以下、レシーバー)と呼ばれるものは放送ではない、特定小電力や簡易無線、アマチュア無線、盗聴器のような違法無線、コードレスマイク、航空、鉄道、船舶の無線など、「通信」が受信できるラジオです。昨今はデジタル簡易無線などが受信できる機種も存在し、アルインコのDJ-X100もその一つです。

レシーバーは多くの電波を受信できる分、特定の帯域だけをカバーする専用ラジオに感度のような基本性能の部分で劣ることがあります。例えば短波放送が興味の中心であれば短波専用ラジオがベストです。「何をメインに聞きたいか」によって機種を選択するのがラジオ選びのコツ、といえましょう。レシーバーは主にV/UHF帯の通信を受信するのが主な用途です。

例えば航空機や鉄道の写真を撮るため被写体の接近を知るのに無線を聞く、であればシンプルで価格がリーズナブルなDJ-X82が最適です。航空や鉄道は受信しやすく、複雑な設定や機能は逆に邪魔になります。ですからDJ-X100は航空無線や鉄道無線を受信すること自体を趣味とする方にはお勧めしますが、撮影のような別の趣味のための道具として使う用途には向きません。

広帯域受信で最も重要なのはアンテナです。FM音楽放送以下やUHF簡易無線以上の周波数は、付属のホイップアンテナではカバーしきれないので、目的の周波数をカバーする外付けアンテナが必要です。アンテナメーカーからいろいろなアンテナが発売されていますし、自作する方法もアマチュア無線家やBCLのHPなどで紹介されています。弊社の現行品レシーバー側のアンテナコネクターは規格品のSMA-J(アンテナ側はSMA-P)です。自宅など屋内で使うときは、なるべく高く開けた場所に設置した受信用アンテナを最短のケーブルで接続するのが最良です。いくら高性能アンテナでも、屋内設置ではあまり効果がありません。

DJ-X100は周波数割り当ての原則、使われる電波型式、選択通信用コードの種類、スキャンやサーチ、メモリーチャンネルやバンクなど、通信とレシーバーの用語や意味などを知らないと使いこなすことができません。一般的な機種に採用されている各種自動モードやプリセット設定などは一切省かれているからです。その代わり、シーンに合わせて絞りやシャッタースピードを操作すれば思いのままの写真が撮れる一眼レフカメラ同様、DJ-X100はうまく使いこなせば一般向け機種では受信できない信号も受信できます。

ラジオホビーを始めるためにレシーバーを購入されるなら、設置場所が許す範囲で一番高性能な屋外設置アンテナと広帯域受信や航空無線受信などの解説書を併せてお求めになることを強くお勧めします。これらは無線機専門小売店でお求めになれます。道具を買うだけでは魚が釣れないのと同じで、知識と情報が無いと通信の受信はできません。