WBGTとは

WBGTとは

暑さ指数(WBGT) 暑さ指数(WBGT)

暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)は、熱中症を予防することを目的として1954年
にアメリカで提案された指標です。 単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。
暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に
着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい
①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。

暑さ指数の有効性について

単純に気温だけでなく、湿度や日差しの違いをも考慮して、熱中症予防につながるのが暑さ指数(WBGT)です。
日々の情報発信の中でも、最高気温だけでなく、WBGT・暑さ指数を参考にすることで、より的確な熱中症予防情報を提供することができます。

[ 例1 ] 2011年7月6日と9日の例(東京)

7月6日と9日で比較すると、気温は同じだが、最小湿度は9日の方が高いため、WBGTは9日の方が高く出ている。熱中症搬送者数は、6日の50人に対して、94人と大幅に多くなっている。

[ 例2 ] 2011年7月18日と8月15日の例(東京)

7月18日と8月15日で比較すると、気温は8月15日の方が低いが、最小湿度は8月15日の方が高い。WBGTは8月15日の方が高くなり、熱中症搬送者数は、7月18日の56人に対して、8月15日は100人と大幅に多くなっている。

暑さ指数に関する指針

暑さ指数(WBGT)は労働環境や運動環境の指針として有効であると認められ、ISO等で国際的に規格化されています。
(公財)日本スポーツ協会では「熱中症予防運動指針」、日本生気象学会では「日常生活に関する指針」を下記のとおり公表しています。労働環境では世界的にはISO7243、国内ではJIS Z 8504「WBGT(湿球黒球温度)指数に基づく作業者の熱ストレスの評価-暑熱環境」として規格化されています。

運動に関する指針

1) 環境条件の評価にはWBGT(暑さ指数とも呼ばれる)の使用が望ましい。 2) 乾球温度(気温)を用いるときは、湿度に注意する。湿度が高いときは1ランク厳しい環境条件の運動指針を適用する。 3) 熱中症の発症のリスクは個人差が大きく、運動強度も大きく関係する。運動指針は平均的な目安であり、スポーツ現場では個人差や競技特性に配慮する。 ※暑さに弱い人: 体力の低い人、肥満の人や暑さに慣れていない人など。

引用:(公財)日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」(2019)より

暑さ指数と
熱中症救急搬送者数との関係

下図は2021年5月から9月までの6都市(東京都、大阪市、名古屋市、新潟市、広島市、福岡市)の日最高暑さ指数
(WBGT)の平均値と全国の救急搬送 者数の関係をまとめたものです。日最高暑さ指数(WBGT)と熱中症による救急
搬送者数(全国)の関係性を確認することができます。

6都市における暑さ指数(WBGT)は、環境省の観測と気象庁の観測資料から求めた値です。
熱中症搬送者数・死者数は総務省消防庁資料の値です。